りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

儀式(パトリシア・コーンウェル)

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検屍官シリーズ」第21作は、なかなか痛快なストーリーでした。法執行サイドにいる者の許されざる行為に気づいたスカーペッタ、ベントン、ルーシー、マリーノらが、悪事を行った者を追い詰めていく終盤は、アメリカ人が好きそうな展開です。最近、ジトッとした展開の作品が多かったので、たまにはアリでしょう。

MITで発見された女子大学院生の変死体から、FBIのベントンが追及していたワシントンDCでの連続殺人事件との共通点が発見されます。しかし、ベントンの上司は動こうとしないどころか、ベントンを配乗しようとするのです。一方、殺された大学院生は、投資運用会社のダブルSと係争中だったことが判明。それどころか、彼女はITおエキスパートであり、ルーシーとの関わりもあったようなのです。

そんな中、ダブルSが何者かに襲撃されて3名が惨殺されるという事件が発生。分析されたDNAは、17年前の殺人事件の犯人と目される行方不明の男を指し示すのですが、ケイは偽装工作が行われた痕跡を発見。事件の真相に迫っていきます。

前作の直後という設定のようです。ケイは冒頭でインフルエンザに罹っていたようですが、休んでいる暇もありませんね。母親や妹と和解したように見えるエピローグがついていましたが、次巻は家族を巻き込む事件が起こるという「前ふり」でしょうか。

2016/1