りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

2015/10 歩道橋の魔術師(呉明益)

「読書の秋」にもかかわらず、読書量が落ちています。理由は明白。読書に割く時間が減っているから。秋は眠い!
1.歩道橋の魔術師(呉明益)
かつて台北に存在していた一昔前の巨大ショッピングモールで育った少年の記憶は、マジック・リアリズムの世界のようです。少年が成長過程で体験した、出会い、別れ、大事な人の死、初恋、キス、裏切り、嘘、孤独、焦燥などの出来事や感情は、それ自体が異次元感覚のようなものなのでしょう。

2.檀(沢木耕太郎)
妻子を顧みず愛人と生活した日々を私小説風に描いた『火宅の人』は、無頼派作家・檀一雄の代表作となりました。しかし、そのモデルとなった妻は、夫のことをどう思っていたのでしょう。ヨソ子未亡人への1年にも及ぶインタビューをもとに綴られた本書では、亡き夫のことを語るに連れて、夫との思い出が浄化されていくように思えてきます。



2015/10/30