りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

世界をだました男(フランク・アバネイル/スタン・レディング)

イメージ 1

ディカプリオ主演で映画化された「Catch me if you can」の原作です。「20世紀最大の詐欺師」と呼ばれた男、フランク・アバネイルの半生記。こんな人が1960年代に実在していたのですね。

あるときはパンナム副操縦士として、コックピットに出入りする。あるときは病院のレジデントとして、病院の夜間当直を仕切ってしまう。あるときは法律家として、州裁判所の訴訟実務の一翼を担う。あるときは大学講師として、夏季講座で講義を受け持つ。ハイライトは、ステュワーデスに仕立てた8人の女子大生を引率しながらのヨーロッパ一周詐欺旅行。

偽造小切手だけで、21歳までに稼いだ金額はしめて250万ドル。魅力的な女性も、豪奢な住宅も、美食も車も旅行も思いのままにしていたのですが、そんな生活が永久に続くはずがありません。全米50州はおろか世界26ヵ国の警察から追われた男の顛末は?

もちろん、いずれは悪運も尽きるのです。それでも本書執筆時には、詐欺対策コンサルタントとして、銀行、ホテル、航空会社を顧客に持つほか、かつての仇敵FBIとも協力関係を持つに至っていたといいますから、「芸は身を助ける」ですね。

2015/10