「早稲女」とは、早稲田大学に通う女子学生のことであり、「プライドが高く、負けず嫌い。ガサツな言動が目立つものの、意外と母性的で世話好き。自意識過剰で面倒くさい。芋っぽい。元ガリ勉。酒豪」だそうです。立教出身ながら「早稲女が好き」という著者による本書は、主人公の「早稲女」早乙女香夏子の恋を中心に、彼女を取り巻く他大学の女子学生たちの物語が紡がれていきます。後の『伊藤くんA to E』と似たパターンですね。
学校名と校歌(なぜか青山だけはサザンの歌詞)からなる章立ては次の通り。
●「仰ぐは同じき理想の光」 早稲田大学 早乙女香夏子
・6年後、他大学の5人の友人たちは、すでに全員結婚しています。憧れだった出版社でバリバリ働きながらも、学生時代の延長のような生活をしている香夏子は空しさに襲われるのですが・・
・6年後、他大学の5人の友人たちは、すでに全員結婚しています。憧れだった出版社でバリバリ働きながらも、学生時代の延長のような生活をしている香夏子は空しさに襲われるのですが・・
かなり誇張はされていますが、「あるある」と思えることも多いようです。「学生気質」というものは、今も昔もあまり変わっていないのでしょうか。とはいえ、ひとりひとりの「個人」は、そんなに類型化できるものではありません。それぞれが悩みを抱え、それなりに「イタイ」のも、柚木さんの作品らしい点。
「早稲女」の香夏子はかなり面倒くさいものの好感が持て、他大学の女子学生からも最終的には好かれるキャラ。しかし、彼女が思いきれない「早稲男」の長津田は、典型的なダメキャラなのです。エキセントリックなだけで甲斐性ゼロ、それでいて女性蔑視の雰囲気も漂わせる男のどこに惹かれる要素があるのか、さっぱり理解できませんでした。「伊藤くん」もそうでしたけどね。
2014/12