りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

みをつくし料理帖9 美雪晴れ(高田郁)

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このシリーズは次の第10巻で完結するとのこと。澪の周囲も慌しくなってきました。

名料理屋「一柳」の主人・柳吾から求婚された芳の心は決まっているのですが、なかなか承諾の返事ができません。前巻で行方が判明した一人息子の佐兵衛と話し合う機会を待っているのです。さらに「一柳」の後継料理人に澪を望んでいた柳吾でしたが、そちらは実現しないかもしれません。まだ料理の道をあきらめていない佐兵衛の存在は別としても、澪には先にやるべきことがあったのです。

それは幼馴染の野江ちゃんを吉原から救い出すこと。卵の黄身をこぼれ梅に漬けた「鼈甲珠」で吉原に勝負をかけるのですが、どうなるのでしょう。そもそも野江は澪に迷惑をかけたくないと思っているのかもしれませんし・・。

「つる屋」での澪と芳の跡継ぎは決まりました。しっかり者のお臼が、一度はへそを曲げた夫の政吉を連れ戻してきたのです。これで種市の老後も安心! 失火をして財産没収・所払いとなってしまった伊勢屋のお嬢様の美緒は、無事出産することができました。澪と美緒の友情も、このシリーズを支えた重要なパーツです。

次巻で、全てがハッピーエンドとはならないかもしれませんが、源斉先生が「いい人」で終わってしまうかどうかも気になります。小松原様は巻末の掌編「富士日和」で澪の料理と再会して、しみじみとしていましたが、これで出番は終わりなのでしょう・・たぶん。

2014/7