りぼんの読書ノート

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サイボーグ009完結編3(石の森章太郎、小野寺丈)

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はっきり言って、残念な作品でした。オリジナルの「009シリーズ」に愛着を感じる人ほど、がっかりするように思えます。

神々が人類を殺戮しはじめます。その真意はどこにあるのでしょう。圧倒的な神々の力の前には、強化されたサイボーグたちも無力であり、次々と倒されていきます。絶望的な闘いの末に9人のサイボーグ戦士たちは何を見るのか。そして神々を倒す最後の作戦とは・・。

とう物語なのですが、はっきり言ってこの展開も、この結末も受け入れられません。十字架に架けられたイエスと大仏が人類を襲うシーンなど笑えてしまいます。そもそもこのエンディングでは、サイボーグたちは神々の思惑に協力してしまったことになるのでは?

この種の伝奇的物語の傑作としては、半村良さんの『産土山秘録』『妖星伝』光瀬龍さんの百億の昼と千億の夜などがありますが、世界観でも完成度でもはるかに及びません。未完のままのほうが良かったですね。

2014/3