りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

リヴァイアサン(スコット・ウエスターフェルド)

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1914年、ヨーロッパではふたつの勢力が拮抗していた。遺伝子操作された動物を基盤とする、英国などの「ダーウィニスト」と、蒸気機関ディーゼル駆動の機械文明を発達させたドイツら「クランカー」。両者の対立は深まり、オーストリア大公夫妻の暗殺につながった。両親を殺した一派に追われる公子アレックと、空への憧れから男装し英国海軍航空隊に志願した少女デリン。ふたりの運命は、やがて巨大飛行獣リヴァイアサンで邂逅する。奇妙なテクノロジーが彩る第一次大戦下の世界で、少年と少女の成長と絆を描く、ローカス賞受賞の冒険スチームパンク三部作、開幕篇。
ハヤカワによる内容紹介がよくできていますので、そのまま掲載してしまいます。蒸気駆動文明の「クランカー」だけなら普通の「スチーム・パンク」なのですが、「ダーウィニスト」が独特の世界観ですね。巨大なリヴァイアサンは、単独の生物ではなく「生態系」だというのですから。ミツバチが収穫した蜂蜜を分解した水素で浮上する飛行船! 

極秘任務中に攻撃され、生態系が活動できないスイスの氷河に不時着したリヴァイアサンは風前の灯。しかし、スイスの隠れ家まで逃亡してきたアレックらが王家の内紛に備えていた大量の食料品に救われます。しかも、二足歩行の機械戦車ストームウォーカーのエンジンを装着したリヴァイアサンは、新たな進化を遂げたようです。

ほとんど独立勢力となったかのようなリヴァイアサンは、アレックとデリンの友情(?)は、世界を救えるのでしょうか。また、敵国であるはずのトルコに向かう、ダーウィン卿の孫娘という女性科学者ノラの極秘任務とは何なのでしょう。続編が楽しみです。

2014/3