りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

紅玉(ルビー)は終わりにして始まり(ケルスティン・ギア)

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ドイツ生れのタイムトラベル・ファンタジーです。でもなぜか舞台はイギリスなんですね。3部作の第1弾。

タイムトラベラーの家系に生まれた16歳のグウェンドリン。本当は従姉妹のシャーロットがタイムトラベラーといて期待されていて幼い頃から教育を受けていたのに、実際に能力を得たのは彼女でした。どうやら彼女の出生の秘密が関係していそうなのですが、本書ではまだ明かされません。

タイムトラベラーには男系と女系の2つの家系があり、「監視団」なる秘密結社によって管理されています。グウェンは予言されていた最後の12番目のトラベラーであり、12人全員の血液がクロノグラヌフに登録されると、何か決定的なことが起こるというのですが、4人分が不足。これは先代のルーシーとポールが結社に反逆してオリジナルのクロノグラフを持ち去ってしまったため。どうやらグウェンの母親グレイスも関係していそうなのですが・・。

ともあれグウェンは、男性トラベラーで3歳年上のギデオンとペアになって過去に飛び、不足しているトラベラーの血液採集に出かけるのですが、簡単にはいきません。ルーシーとポールが先回りして罠を仕掛けているのです。果たして血液採集トラベルは成功するのか、結社の目的は何なのか、ルーシーとポールはなぜ反逆したのか。これらの謎は次巻以降に持ち込まれます。

というストーリーなのですが、主人公グウェンのキャラが楽しい作品です。携帯電話を手放せず、映画が好きで、冷静な親友のレスリーには隠し事ができず、とにかく現代的な少女なんですね。パートナーとなったハンサムなギデオンには一目惚れしてしまったようですが、彼の言いなりにはならない気の強さも持ち合わせています。そうそう、彼女には幽霊が見えるという不思議な能力もありました。

日本ではYAに分類されるような小説ですが、この種の作品は好きなのです。なんといっても、勢いを感じますので。

2013/9