りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ここはボツコニアン(宮部みゆき)

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宮部さんのファンタジーにはついていけないことが多いのですが、これはちょっとやりすぎでしょうか。はじめからRPGゲームを念頭において、しかもちゃかした作品なのです。

そもそも舞台が「ボツネタ」が集まってできた、出来損ないの世界「ボツコニアン」。そこを「本物の世界」に創り変える使命のもと、「長靴の戦士」として選ばれたのが別々に育てられた「双極の双子」の少年ピノと少女ピピ。長靴下ではないのね・・。2人は、できるだけたくさんの真実を探し出さなくてはならないのです。

植木鉢の姿をした「世界のトリセツ」とともに冒険に出た2人は、チュートリアルでマッド・サイエンティストのルイセンコが操る空龍と対戦した後、王都に向かって、地下迷宮に潜ります。

モンスターとも遭遇しますが、どれも迫力ありません。それもそのはず、彼らもボツ・モンスターなのであり、地下迷宮の真の目的を隠すカムフラージュにすぎないんです。

2人が発見したのは王城の地下が忍者養成所だということ。忍者とは「本物の世界」に送られる間諜であるということ。そして忍者を束ねるハンゾウは王の双子の弟だということ。ピピは「わらわら」を使役する術を学び、ピノはなぜか「料理の鉄人」修行をして、次なる目的地、水の都アクアテクに向かうのですが・・。

宮部さんの作品なので「最後には期待を裏切らない」ことを期待したい・・のですが、この続編は、もう読まなくてもいいかな。

2012/4