りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

2012/12 ソロモンの偽証(宮部みゆき)

長い出張を利用して小野不由美さんの『十二国記シリーズ』を全巻まとめて一気読みすることができました。荻原規子さんの『勾玉シリーズ』、上橋菜穂子さんの『守り人シリーズ』と並ぶ和製ファンタジーと呼ばれるだけあって、その世界観は確かです。

ただし今月の1位というより年間1位の作品は、宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証』でしょう。同級生の死亡事件に端を発して混乱した学園で、自らの手で真相を明らかにするために立ち上がった中学生たちの物語です。ひとりひとりの登場人物を見事に描き分けただけでなく、総体として善意も悪意も自責も昇華させてしまうような見事な展開は、もう宮部さんにしか書けないものでしょう。
1.ソロモンの偽証(宮部みゆき
第1部 事件
第2部 決意
第3部 法廷

2.傭兵ピエール(佐藤賢一)
英仏百年戦争の末期、無頼漢ピエールが雇われたのは、包囲されたオルレアンを救出に向かうフランス王太子軍。ピエールは軍議の場で出会ったジャンヌ・ダルクに心奪われますが、しょせん傭兵には聖女など高嶺の花。それでも戦争に詳しいピエールはジャンヌを助けて奮闘し、オルレアン解放の奇跡を起こします。しかしジャンヌが起こした奇跡はそれだけではなかったのです。宝塚の演目ともなった「ジャンヌ・ダルク秘話」は佐藤さん初期の傑作です。(再読)



2012/12/29