りぼんの読書ノート

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パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 1.盗まれた雷撃(リック・リオーダン)

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ハリー・ポッター・シリーズの二番煎じみたいな作品ですけど、物語としてはこちらの方がおもしろいくらいで、予想外に楽しめました。

類似点も多いのです。主人公が特別な少年少女たちであり、特別の訓練所で学んでいること。強力な敵が甦りつつあり、主人公たちを敵視、あるいは利用しようとしていること。主人公の未来に関する不吉な予言が存在していること・・。

ではこの少年少女たちは、どう特別なんでしょう。彼らは、オリンポスの神々と人間の間に生まれた「ハーフ」なんですね。かつてのヘラクレスやアキレスと同じく「英雄」と呼ばれる者たちなんです。不死のオリンポスの神々は、住まいを時代時代の西洋文明の中心地に移しながら脈々と生き続けていて、現代ではアメリカにいるという設定。オリンピアはマンハッタンの上空にあり、冥界の入り口はロサンゼルスの近辺に・・。

恋多きオリンポスの神々の悪い癖は数千年の時を経ても治ることなく、「ハーフ」はどの時代にもいたのですが、彼らの問題は怖ろしい怪物を呼び寄せてしまうことと、神々の間の争いに巻き込まれてしまうこと。たとえば、第二次世界大戦は「ハーフ」たちの戦いだったんですって。^^;

さて12歳の少年パーシーは突然、自分がポセンドンの息子であることを知らされます。しかも、ポセイドンの指示でゼウスの「雷撃」を盗んだ疑いがかけられているとのこと。濡れ衣をはたして神々の兄弟喧嘩を防ぐために、パーシーは、アテナの娘・アナベスや半人半山羊の友人・グローバーとともに、真犯人とおぼしきハデスが支配する冥界へと向かうのですが、不吉な信託が彼らの冒険を支配します。果たして彼らの冒険の結末は・・。

冒険の末に、パーシーは「真の敵」の存在に気づくことになります。それは神話時代にオリンポスの神々に滅ぼされた、かつての支配者クロノスとタイタン族の復活の兆しのようなのですが、続きは次巻以降となるところで第1巻は終了。

現代アメリカ風にアレンジされた神話のモチーフが、随所に登場するのが楽しいですね。ギリシャの神々はキャラクターのオンパレードですから、題材には事欠きません。また、この物語の楽しさは、パーシーの明るい性格によるところも大きいようです。^^

2011/5