りぼんの読書ノート

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オリンポスの神々と7人の英雄 3.アテナの印(リック・リオーダン)

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「シーズン2」の物語も佳境に入ってきました。オリンポス神の滅亡をもくろむガイアの目覚めを前にして、肝心の神々は統合失調症状態。しかもギリシャ系とローマ系のハーフは一触即発状態。

その背景には、ローマ時代に軍神の役割を奪われて、穏健なミネルウァとされてしまったアテナの復讐心がありました。パルテノンから奪われてローマの地下神殿に隠されたという伝説のアテナ像を求めて、アルゴ2号に乗り組んだ7人のハーフたちは地中海世界へと乗り込みます。

彼らを待ち受けるのは、もちろん神話時代の悪役たち。人の心に入り込んで操るアイドロンや、アトランタの水族館で海獣を操るケトとポルキュス、イクト(魚)ケンタウロスのアフロスとビュトスら。しかも初代ヒーローから神へと昇ったヘラクレスまでもが決して味方ではないのです。「ローマの休日」そっくりのティベリヌスとレア・シルウィア(ロムルスとレムスの母親)だって、彼らを危地に案内するだけですしね。

パーシー(ポセイドンの息子)、ジェイソン(ユピテルの息子)、パイパー(アフロディテの娘)を待ち受けるのは、怨みに燃えるニンフゾンビたちと、ニコ(ハデスの息子)を捕えたギガンテスの双子、エピアルテスとオトス。

リオ(ヘパイストスの息子)、フランク(マルスの息子)、ヘイゼル(ハデスの娘)は、ガイアの罠にかかって地下に閉じ込められますが、そこで見つけたアルキメデスの発明品を使って脱出に成功。ついでに、ロボットに入り込んだアイドロンを倒します。

しかし、たったひとりで最も危険な相手の挑戦を受けることになったのはアナベス(アテナの娘)でした。かつてアテナに蜘蛛にされた恨みを忘れず、ミトラの地下神殿にアテナ像を隠し続けているのはお嬢アラクネ。全ての能力を失ったアナベスは知力だけでアラクネに挑むのですが・・。

ガイアの復活を阻止するためには、冥界側ではタルタロスに、人間界ではギリシャのエピルスにあるという「死の扉」を封鎖しなくてはならないことが判明しました。次巻はついに、神々の故地であるギリシャでの冒険となるのでしょうか。全5巻のシリーズだそうですから、ギリシャでの最終決戦にはまだ早い?

2014/4