「レンアイ」ではありません。「ヘンアイ」です。独特の感性を持つ翻訳家の岸本さんによる「変愛小説アンソロジー」の第2集。常人には感情移入できないこと、間違いなし! 一方で、現代の「純愛」とは「変愛」にしか存在しないのかとも思えてきます。
1.彼氏島(ステイシー・リクター)
イケメンの原住民だけが住む島に漂着して逆ハーレム状態になったギャルは述懐します。「人類学者に調査して欲しい。あたしが幸せなのかどうか・・」
イケメンの原住民だけが住む島に漂着して逆ハーレム状態になったギャルは述懐します。「人類学者に調査して欲しい。あたしが幸せなのかどうか・・」
4.私が西部にやって来て、そこの住人になったわけ(アリソン・ベイカー)
アメリカ価値観を象徴するチアチーダーは、いまや絶滅危惧の幻の動物のような存在。その姿を一目見ることを夢見る人々が、モンタナの酒場に集います。
アメリカ価値観を象徴するチアチーダーは、いまや絶滅危惧の幻の動物のような存在。その姿を一目見ることを夢見る人々が、モンタナの酒場に集います。
7.ミルドレッド(レナード・マイケルズ)
シュールで滑稽で不思議な会話。この会話はテレパシーでしょうか?
シュールで滑稽で不思議な会話。この会話はテレパシーでしょうか?
8.マネキン(ポール・グレノン)
愛する妻が木製のマネキンだと気づいてしまった男ですが、別れられません。
愛する妻が木製のマネキンだと気づいてしまった男ですが、別れられません。
10.歯好症 デンタフィリア(ジュリア・スラヴィン)
身体中から歯が生えてくるという異変を起こした女性を愛し続ける男の不幸。
身体中から歯が生えてくるという異変を起こした女性を愛し続ける男の不幸。
11.シュワルツさんのために(ジョージ・ソーンダーズ)
「トータルリコール」のように記憶を操る世界。ぼけ老人のシュワルツ夫人の記憶をメモリーに移動させて売り物にした男は、彼女の死から立ち直れない自分の記憶も・・。
「トータルリコール」のように記憶を操る世界。ぼけ老人のシュワルツ夫人の記憶をメモリーに移動させて売り物にした男は、彼女の死から立ち直れない自分の記憶も・・。
私のお勧めは、「妹」と「私が西部にやって来て、そこの住人になったわけ」かな。第1集のレビューはこちらです。 『変愛小説集』
2010/8