「ニール・ケアリー」シリーズの3作め。『ストリート・キッズ』では薬づけのお嬢様に心を奪われ、『仏陀の鏡への道』では中国の美女工作員に一目惚れしてしまったニールの次の仕事は、ハリウッドで働く母親の依頼で、親権のない父親が連れ去った赤ちゃんを連れ戻すというものでした。
捜査の末にたどり着いたところは、「Lander County」と呼ばれるネヴァダの高地。辺鄙な牧場に集うカウボーイたちは、反ユダヤの教義に染まったカルト思想集団。その地で出会った恩人一家や恋人に背を向けて、カルト集団に加わって潜入捜査を開始したニールに、危機が迫ります。
中国で軟禁されていたときに身に着けた伏虎拳だけでは足りません。クルマの運転も苦手なニールが、荒馬にまたがってカウボーイの真似事をするなんて! でも、惚れやすいところは変わってませんし、心優しさも減らず口も昔のままですから、ご安心を。^^
今回、意表を突いてくれたのは、いつもは「朋友会」の事務局で陰謀に明け暮れているだけの存在と思っていたレヴァインが、なかなかのタフガイだったこと。腕自慢のカウボーイたちを相手に、正面から銃撃戦を挑むのですから。このシリーズも、残りあと2作になってしまいました。
2010/4読了