ふと思い立って、村上春樹さんの長編をはじめから読み返してみました。約2ヶ月間で全部再読してしまったのですが、「もっとゆっくり読めば良かった」と後悔しています。村上さんの本を読んでしまうと、並みのフィクションには満足できなくなりますね。だからというわけでもないのですが、今月の上位はノンフィクションです。1.倒壊する巨塔(ローレンス・ライト)
副題に『アルカイダと「9・11」への道』とあるように、「アルカイダ」の背景と軌跡を丹念に追いかけて、彼らの実像を伝えるノンフィクション作品です。狂信的カリスマ性を有するウサマと、エジプトの急進組織を擁するザワヒリ、さらにはテロを正当化しうるファトワ(教義判断)を出し続けた宗教者らを「異化」することなく、膨大な資料と証言を通じて、理解可能なものとした著者の姿勢が素晴らしいのです。
2.ハチはなぜ大量死したのか(ローワン・ジェイコブセン)
2006年以降、北半球に棲息するセイヨウミツバチの1/4が消滅しています。「蜂群崩壊症候群(CCD)」と名づけられたこの現象を解明すべく挑んだ著者が見出したのは、農業経済に組み入れられた結果、あまりにも自然界でのあり方とかけ離れた養蜂業の実体でした。優れた受粉生物に起きた問題は、生態系全体に関わりかねない大問題なのですが、それよりも、自然な個体数調節機会を失って大崩壊に至ったミツバチの運命が、現代の人類と重なって見えてくるのです。
2006年以降、北半球に棲息するセイヨウミツバチの1/4が消滅しています。「蜂群崩壊症候群(CCD)」と名づけられたこの現象を解明すべく挑んだ著者が見出したのは、農業経済に組み入れられた結果、あまりにも自然界でのあり方とかけ離れた養蜂業の実体でした。優れた受粉生物に起きた問題は、生態系全体に関わりかねない大問題なのですが、それよりも、自然な個体数調節機会を失って大崩壊に至ったミツバチの運命が、現代の人類と重なって見えてくるのです。
3.ケンブリッジ・クインテット(ジョン・L.キャスティ)
1949年のある晩、政府の科学顧問を務めている物理学者スノウの呼びかけに応じ、数学者チューリング、哲学者ヴィトゲンシュタイン、物理学者シュレーディンガーと遺伝学者ホールディンという「知の巨匠」たちがケンブリッジに集まり、「人工知能」について議論を戦わせます。「ありえたかもしれない会話」によって、最先端の課題の底流にある問題を浮かび上がらせてくれる「サイエンス・フィクション」。^^
1949年のある晩、政府の科学顧問を務めている物理学者スノウの呼びかけに応じ、数学者チューリング、哲学者ヴィトゲンシュタイン、物理学者シュレーディンガーと遺伝学者ホールディンという「知の巨匠」たちがケンブリッジに集まり、「人工知能」について議論を戦わせます。「ありえたかもしれない会話」によって、最先端の課題の底流にある問題を浮かび上がらせてくれる「サイエンス・フィクション」。^^
【その他今月読んだ本】
・国境の南、太陽の西(村上春樹) 再読
・ねじまき鳥クロニクル(村上春樹) 再読
・スプートニクの恋人(村上春樹) 再読
・海辺のカフカ(村上春樹) 再読
・パン屋再襲撃(村上春樹)
・地獄のコウモリ軍団(バリー・ハナ)
・素数たちの孤独(パオロ・ジョルダーノ)
・秘密の花園(三浦しをん)
・イオニアの風(光原百合)
・パパママムスメの10日間(五十嵐貴久)
・胡蝶の失くし物(仁木英之)
・ヴェネツィアの宿(須賀敦子)
・老人と宇宙3 最後の星戦(ジョン・スコルジー)
・最後の物たちの国で (ポール・オースター)
・テロルの季節(佐伯泰英)
・出世花(高田郁)
・楊令伝10(北方謙三)
・光源(桐野夏生)
・ハイペリオン(ダン・シモンズ)
・似せ者(松井今朝子)
・国境の南、太陽の西(村上春樹) 再読
・ねじまき鳥クロニクル(村上春樹) 再読
・スプートニクの恋人(村上春樹) 再読
・海辺のカフカ(村上春樹) 再読
・パン屋再襲撃(村上春樹)
・地獄のコウモリ軍団(バリー・ハナ)
・素数たちの孤独(パオロ・ジョルダーノ)
・秘密の花園(三浦しをん)
・イオニアの風(光原百合)
・パパママムスメの10日間(五十嵐貴久)
・胡蝶の失くし物(仁木英之)
・ヴェネツィアの宿(須賀敦子)
・老人と宇宙3 最後の星戦(ジョン・スコルジー)
・最後の物たちの国で (ポール・オースター)
・テロルの季節(佐伯泰英)
・出世花(高田郁)
・楊令伝10(北方謙三)
・光源(桐野夏生)
・ハイペリオン(ダン・シモンズ)
・似せ者(松井今朝子)
2009/11/1