りぼんの読書ノート

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西の善き魔女4 世界のかなたの森(荻原規子)

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南方から竜がさまよい出てくる「竜の道」が広がっている? 竜の被害に悩む隣国の要請で、グラール王国は伝統の「竜退治の騎士」を派遣します。名乗り出たのは、前巻でフィリエルに婚約を申し込んだロウランド伯爵家のユーシス。

フィリエルもまた、ルーンを追って南方へと旅立つのですが、なぜかあちこちで評判になってしまう。これは「竜の騎士を追うあかがね色の髪の乙女」という創作を広めた筆名エヴァンジェリンことアデイルのいたずらなんですけど、実はアデイルこそ義兄のユーシスを慕っているんです。

ユニコーンという存在が登場します。どうやらこれは家畜化された一種の竜であるようなのですが、必死に乗りこなそうとするユーシスらを尻目に、幼いユニコーンの一頭がフィリエルを慕います。これも女王の後継者資格のなせる技?

さて、物語は大きな転機を迎えます。中世的な世界だったはずなのに、いきなり「転送」とか「世界の壁」とかのSF的用語が登場してくる。吟遊詩人こと「バード」は、女王への情報提供者であるとともに、世界の監視者でもあるようで、そもそも誰が何のためにこの世界を監視しているのか? どんな世界が準備されているのか、楽しみです。

2009/8