りぼんの読書ノート

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ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル2(スザンナ・クラーク)

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第二部になって、若いジョナサン・ストレンジの活躍が本格的にはじまります。自分以外の魔術師を排除しようとしていたノレル氏も、天才肌のジョナサンには惚れこみ、師弟関係を結ぶのですが、彼にも読ませたくない本は隠したりして、やはりセコさは健在。

ジョナサンは、イベリア半島にてナポレオン軍への反攻を開始したウェリントン卿のもとに出頭し、魔術の力で大いに戦功をあげます。イギリス軍の進路を石畳の道にして行軍し易くさせたり、川や町を移動させてフランス軍に不利な陣地配置となるようにしたりの大活躍。ただし、敵に向かって直接攻撃をしかけることはしません。その理由が、いかにもイギリス的。「紳士はそういうことはしないでのす」^^

実戦で自信をつけたジョナサンと、あくまで秘密主義で魔術の使用に慎重なノレル氏の間はだんだんと溝が深まってきて、ついに決裂してしまうのですが、そうこうしている間にも異界の動きは活発になってきて、ついにジョナサンの妻アラベラにまで・・。

12世紀から15世紀までイギリス北部と妖精界を支配した「大烏の王」とは何者なのか。彼の果たした役割に関しても、ノレル氏とジョナサンの見解は異なっているのですが、この後の展開に大きく影響を与えそうなポイントです。だんだんおもしろくなってきました。

2009/2