りぼんの読書ノート

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人のセックスを笑うな(山崎ナオコーラ)

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去年の「文藝賞受賞作」。「天賦の文才が宿る。思わず嫉妬したくなる程の才能」とか、「この作品について書くべきことはない。ひたすら楽しかった。」などと選考委員からは大絶賛なのですが、純文学の新人賞なんてこんなもの?

19歳の学生と、美術教師である39歳の女性ユリとの恋愛が、なんとなくはじまって、なんとなく終わって、「進路を考えはじめないと・・・」という所で終わります。ストーリーともいえない展開もさることながら、主人公が薄っぺらすぎて、何の印象も残らない感じ。もちろん19歳の学生の視点から見たユリのことだって、何を考えて行動してるのか、全然書けていません。

39歳のユリを「可愛い」と感じる表現や、「女の子は、支えてはくれないくせに『察して』などと言う」なんてあたりが、部分的にいい感覚なのかな。それとも、わざと薄っぺらな主人公を設定して、薄っぺらな小説に仕上げたのかもしれません?「アンガールズ的な面白さ」を狙ったのでしょうか(笑)。

もちろん、人のセックスのことなんて笑わないよ。

2005/3