久しぶりに、途中で放り出したくなる本に出合いました(笑)。ほとんど爺さんと婆さんたちの人間関係だけ綴られる、アメリカの田舎町を舞台にした何の事件も起こらないストーリーを、上下2巻延々と読まされます。
主役は、60歳になっても定職も財産も持たず、妻からはとっくの昔に離婚されていて、昔の恩師である婆さんの家に下宿している土木作業員サリー。でも彼はまだまだ枯れてはいません。幼馴染で元気のいい婆さんと浮気をしたり、30歳も年下の、雇い主の妻にときめいたりしてます。
彼が久しぶりに再会した息子ピートは、大学教授の職を失う寸前で、妻との関係もやばそう。孫息子ウィルはすっかり「いじけ虫」。どこを向いても、壊れそうな家族関係ばかりですが、最後には、なぜか、みんな元に戻っているというお話。「しみじみと懐かしい情景」なのでしょうが、展開遅すぎ! こういう本をじっくり読めなくなっている私の方に問題あるのでしょうか?
どうやら読みにくかった原因は、主人公のキャラ。「Noboday’s Fool」とは「誰からもバカにされない男」の意味ですが、何の計画性もないくせに、妙に自信たっぷりで、せっかくのユーモアのセンスは人をからかうだけ。言動に責任とらないくせに、周囲からは妙に人気あるマッチョ男。はっきり言って嫌いです。
この本、1994年に映画化されたそうです。登場人物は、ポール・ニューマン、ジェシカ・タンディ、ブルース・ウィルス、メラニー・グリフィス・・・やっぱり渋いな。映画のことだからコアになる物語を設定したのではないかと思いますが。
2005/2