「２年間で劇団の収益から３００万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」という条件で再開された「シアターフラッグ」の活動は、鉄血宰相・春川司の監視の下で軌道に乗りかけていました。趣味的な劇団運営にサラリーマン的な経営管理視点を持ち込んだことが、単なるコスト削減だけでなく創作意欲も掻き立てたのです。
しかし全てが順調に進むことなどありえません。辞めたメンバーからのネットでの抽象。メンバーに溶け込めない悩み。嫉妬、羨望、落ちこぼれ感、そしてメンバー間の恋愛感情。借金返済のため団結しかけていた劇団メンバーにまさかの亀裂が走るのです。さらに主宰・春川巧がまさかの失踪事件を起こしてしまうのですが・・。
テーマが明快だった第１巻と比較すると、群像劇となった第２巻は少々ピントが甘くなっている感は否めません。もともと「３部作」と予告されていたのに、第２巻で打ち止め状態が続いているのも、そのあたりが原因なのかもしれませんね。思い切り読者の意表を衝いた最終巻を期待しています。
2019/7
