りぼんの読書ノート

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辺境の老騎士 3(支援BIS)

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中世ヨーロッパのような架空の世界を舞台とする「グルメエピックファンタジー」の第3弾では、旅の仲間であった女騎士ドリアテッサの辺境競武会での奮戦と、かつてバルドが敬愛したアイドラ姫の忘れ形見でパルザム王となったジュールラントによって王都に迎えられる物語が描かれます。

ヴェン・ウリルあらためカーズ・ローエンによって鍛えられたドリアテッサと、ジュールラントの近衛隊長シャンテリオンによる、神技の応酬のような闘いはなかなかの描写。まさかこの2人が、後にあんな関係になるとは・・。一方で、単なる傍観者として競武会を観戦していたはずのバルドでしたが、思わぬ成り行きによって事態の渦中に巻き込まれてしまいます。競武会であるのに最後に「歌合戦」があるというのは「タンホイザー」をイメージしているのでしょう。

老いて引退したはずのバルドは、神意を受けた人間なのでしょうか。彼の運命はさらに激変していきます。ジュールランと王から授けられた将軍の地位は形だけの名誉職のはずだったのですが、王に対する陰謀のみならず、中原全体を巻き込む動乱にも巻き込まれていきそうです。その過程でカーズ・ローエンの悲劇的な前半生も判明。魔獣や魔剣や亜人や精霊が横行するこの世界の秘密も、次第に明かされていくのでしょう。

しかし単行本として出版されているのは第3巻までであり、この後は不明のようです。もともとWEB小説として連載されていた作品ですので、この後はネットで読むしかないのかもしれません。完結しているようですので、出張の際にでも読んでみましょう。

2018/11


【辺境の老騎士】
辺境の老騎士 1
辺境の老騎士 2
・辺境の老騎士 3