りぼんの読書ノート

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辺境の老騎士 2(支援BIS)

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中世ヨーロッパのような架空の世界を舞台とする「グルメエピックファンタジー」の第2弾。死に場所を求めて長年仕えた領主の元から去った老騎士バルドの放浪の旅は、同行する仲間を得て、生きるための旅へと変わっていったようです。

第1巻で道連れになった実直で豪胆なメイジア領主ゴドンと、天性の運動神経を有する盗人ジュルチャガに加えて、一行に窮地を救われた女騎士ドリアテッサが加わります。そして第1巻で行方をくらました剣鬼ヴェン・ウリルも再登場。一行はドリアテッサ故国へと向かいます。

実は彼女には、敬愛する姫のために魔獣を狩って辺境競武会に出場したいという宿願があったのです。女性が騎士となることに疑問を覚えるバルドでしたが、個人の信念に軽重はないとの広い視点から、ヴェン・ウリルにドリアテッサの指導を依頼。その過程で、ヴェン・ウリルに憑りついていた深い闇が取り除かれていく様子は、前半の読ませどころでしょう。バルドはヴェン・ウリルを養子としてカーズ・ローエンの名を与えます。

一方で、信頼する妹夫妻に任せていたゴドンの領地に危機が訪れていました。一行はドリアテッサの故国ゴリオラ皇国からメイジアへと戻るのですが、このあたりは少々ドタバタ感が拭えません。その前に、放浪の旅の序盤で出会った亜人エングダルと再会するエピソードもありますし。第3巻にまわされることになった、辺境競武会のエピソードのほうを先に描くほうが自然でしょう。肝心のグルメエピソードですが、この巻では牛とか豚とか馴染みのある食材が出てきたため、イメージが湧き安かったですね。

2018/11