りぼんの読書ノート

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通い猫アルフィーの奇跡(レイチェル・ウェルズ)

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飼い主の老婦人を亡くし、ひとりぼっちの野良猫になってしまったアルフィーは、帰る場所もなく空腹でさまよい続けたすえに、とある住宅地にたどり着きます。「二度と飢えたりしない」などとスカーレットのような決意をしたアルフィーは、飼い主をひとりに定めるリスクを避けて、4軒もの家に通い始めるのです。

ところがアルフィーが関わった人間たちは、皆そろって問題を抱えていたのです。失恋の痛手からDV男を付き合い始めてしまったクレア。失業してロンドンに舞い戻ってきたジョナサン。育児ノイローゼ寸前の主婦ポリー。ポーランドから移住してきて差別に悩むフランチェスカとトーマスの夫妻。

しかし4つの家族の間を回っていたアルフィーが奇跡を起こします。隣同士のポリーとフランチェスカを引き合わせて親友にさせてしまったのは比較的簡単でしたが、それぞれ猫嫌いの異性と付き合い始めてしまったクレアとジョナサンのために、アルフィーは自分を犠牲にする計画を立てるのですが・・。

犬と比べて自分勝手でわがままなペットと見なされているネコですが、ツンデレの魅力たっぷりであることに加えて、こんな優しさを示されてしまったらメロメロになってしまいますね。年末にふさわしい、心温まる作品でした。続編もあるとのことです。

2017/12