りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

2019/7 天冥の標10.青葉よ豊かなれ Part 3(小川一水)

「YAHOOブログ」から「はてなブログ」に引っ越す予定ですが、索引の修正が大変そう。少し読書ペースを落としてでも、新しいブログに手を入れなくてはいけないのかもしれません。
 
1.天冥の標10.青葉よ豊かなれ Part 3(小川一水)
全宇宙的な対立軸の末端で翻弄され、絶滅の一歩手前まで追い込まれてしまった人類に、未来はあるのでしょうか。宇宙種族たちが対峙する最前線で、人類はどのようにして生き延びることができるのでしょうか。10年に渡って書き継がれてきた、全10巻、16冊の大シリーズにふさわしい、スケールの大きな大団円が描かれます。

 

2.洪水の年(マーガレット・アトウッド)
カナダ文学界の巨匠による世界終末譚「マッドアダムの物語3作」の第2作が、前作以来8年もたってようやく出版されました。行き過ぎた人工世界に異議を唱えるエコロジカル宗教団体に籍を置いた、対照的な2人の女性が、世界が終末に至る過程を見届けていきます。世界はどのようにして滅びへの道を歩むのか、どうすればそれを阻止できるのかを考えさせられてしまいます。

 

3.わたしは英国王に給仕した(ボフミル・フラバル)
20世紀のチェコを代表する作家のひとりである著者が、1971年に書き上げながら、長らく国内での出版を禁じられていた作品です。百万長者を夢見る給仕人が波瀾万丈の半生の末に夢を叶えるに至る物語ですが、ともにチェコを支配したナチスソ連がともに批判されているのです。重いテーマと対照的な、シュールでコミカルな語り口が印象的な作品です。