りぼんの読書ノート

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エチュード春一番 第2曲 三日月のボレロ(荻原規子)

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パピヨン犬の姿で顕現した八百万の神モノクロと暮らし始めた、大学新入生の美綾に転機が訪れます。きっかけは、夏休みに大宮の祖母の家に行った際に、神官の娘である門宮弓月に出会ったことでした。神気を増幅させることができるという弓月が、夜の氷川神社で美綾に見せたものは、境内で光る蛇のビジョンだったのです。

 

モノクロの解説では、ずっと同じところに居つづける神は、神気を洩らし続けていることがあるとのこと。いやそれよりも大きな問題は、神気を見ることができる「能力者」が複数存在するということですね。弓月が紹介した男性の飛葉周は、美綾を能力者と認め、仲間になるよう強く迫ってきます。

 

いったい何をする仲間なのか不明なものの、飛葉周はかなりヤバイ奴でした。他者の能力を借用する力があるようなのですが、行動は完全にストーカー。通常は全く普通の犬に過ぎないモノクロを誘拐して、美綾を付け狙うのですが・・。

 

著者が考える神道修験道の本質は面白いのですが、シリーズの展開とどう結びついてくるのか、まだよくわかりません。美綾の巫女的能力は次第にパワーアップしていくようですが、その先に何があるのでしょう。絶滅に瀕した人類の救世主になるというのでは、レッドデータガールの焼き直しにすぎませんので。

 

2017/9