りぼんの読書ノート

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ライラの冒険 2.神秘の短剣(フィリップ・プルマン)

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前巻黄金の羅針盤のラストで「オーロラの世界」に渡ったライラは、私たちと同じ世界からやってきた少年ウィルと出会います。行方不明になった父親を探しているウィルは、ライラの協力によって神秘の短剣を手に入れます。それは、並行世界と往来できる窓を開ける力を持つ剣でした。

一方でライラの父親アスリエル卿は、神を名乗るオーソリティに闘いを挑むための軍勢を集めていました。彼に招集された天使と出会ったウィルとライラは、この世界の秘密を聞き出します。要約すると、はるか昔に地球に降り注いだ「ダスト」こそが「知恵の実」であり、そこから生み出された最初の天使オーソリティが創造主を名乗ってダストの支配を目論んでいるというのです、もちろん教会組織は、彼の手先にすぎません。

魔女たちには別の伝説が伝わっていました。初回の「イブとダスト(知恵の実)の出会い」は不完全で「楽園追放」という結果に終わったものの、やがて第2のイブが誕生するということ。そしてライラこそが、運命の子だというのです。いやはや、話が大きくなってきました。でもこういう話の常として、次第にグダグダになっていくので、あまり気にしないほうが良さそうです。

物語は広がっていきます。アスリエル卿は「神秘の短剣」の使い手を探し求め、教会はコールター夫人に実娘ライラの殺害を命じ、さらには第1巻で登場した魔女や、気球乗りや、鎧グマも再登場。北極で消息を絶っていた謎の放浪者バリーはウィルの父親だというし、ダストを長年研究してきた女性科学者メアリーは「誘惑者」だというし、いよいよ収拾をつけるのが大変になってきました。

2016/6