りぼんの読書ノート

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クロニクル1.トルコの逃避行(リチャード・ハウス)

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イラクの砂漠に軍事基地を建設する大プロジェクトの現地責任者を務める英国人のサトラーは、問題が発生したために現地を去るように言い渡されます。しかし、それは罠でした。サトラーは、彼が訪れた先で起こった爆発事件と、巨額の横領事件の犯人として、追われてしまうのです。

どうやら、これははじめから仕組まれたことだったようです。サトラーの本名はフレッドであり、契約に際してサトラーという偽名を用いることを要請されていたのですから。サトラーは、事情もわからないまま、イラクから陸路でトルコへ、さらにマルタ、ドイツへと逃亡を続けていきます。背後で陰謀を仕掛けているのは、軍と癒着した民間企業の幹部ギーズラー。そして、事件の全貌に疑いを抱きながらも、サトラーを追いかける使命を受けたのは、保険会社の査定人パーソン。

しかし本書は、「逃亡者」のような「追跡アクションストーリー」ではないようです。サトラーがトルコ国境で出会った、クルド関係記録映画の撮影クルーである、エリック、ナタリー、マーティンとの関係が重要になってくるのです。若いエリックはサトラーと別れた直後に行方不明となり、サトラーはエリックの母親であるアンと接触

まだ、物語の行方は見えてきません。全4部作の物語は、はじまったばかりです。

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