りぼんの読書ノート

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オリンポスの神々と7人の英雄 1.消えた英雄(リック・リオーダン)

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意外と面白かったパーシー・ジャクソンとオリンポスの神々シリーズの続編です。

不死の存在であり、時代に応じて世界の中心に拠点を移しているギリシャ神話の神々の、現在の住まいはアメリカ。エンパイアー・ステート・ビルが現代のオリンポス山。「英雄」と呼ばれる神々と人間のハーフの子供たちが、復活を目指したクロノス率いるタイタン族を打ち破ってから1年半後、新たな戦いを告げる大予言の時代が始まります。

新たな敵は、全ての神の母なる女神「ガイア」の目覚めとともに完全復活を果たして、オリンピアの神々の座を奪おうとしている巨人族ギガンテス」。彼らもまたガイアの古い息子たちなんですね。

大予言で告げられた「7人の英雄」のうち、第1巻では3人が登場。記憶を失って登場したゼウスの息子ジェイソン、裏切りを命じられたアフロディテの娘パイパー、そして悲しい過去を持つヘパイストスの息子リオ。

ガイアの目覚めを押しとどめ、幽閉された女神ヘラを救出する冒険に乗り出した3人の行く手に待つのは、死から目覚めた魔女メディア、黄金の手を持つミダス王、狼男のリュカオンら伝説の悪役たち。そして、ヘラのパワーを奪って復活をもくろんでいるギガンテスのエンケラドスやポルピュリオン、さらに意外な女神が敵となって現れてくるのですが・・。

ギリシャの神々はローマの神々と同一ですが性格は微妙に異なっており、ハーフにもギリシャ系とローマ系の2種類がいるとのこと。ジェイソンが父神を「ユピテル」と呼んでいるのは、彼がローマ系だから。

実は2つの系統のハーフには、歴史上の大きな戦争は両系統が出会ったときに起きたというほどの確執があり、互いの存在は秘密にされていました。しかし強敵を相手にして協力関係が必要となり、共同戦線を準備するために神々の手によってリーダー交換が行われたようです。その結果が「記憶喪失のジェイソンの登場」であり、前シリーズのヒーローだったパーシーの行方不明なんですね。

「7人の英雄」とは誰であり、パーシー、アナベス、ニコ、タレイアら、前シリーズで活躍した英雄たちの出番は来るのでしょうか。全5巻のシリーズは、2010年から(邦訳は2011年から)毎年1冊刊行される予定。続編も楽しみです。

2012/1