りぼんの読書ノート

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アポロンと5つの神託 5.太陽の神(リック・リオーダン)

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」シリーズと「オリンポスの神々と7人の英雄」シリーズに続く「シーズン3」が本書で完結。どのシリーズでも、ギリシャ・ローマの神々と人間の間に生まれたハーフたちが、現代に蘇ろうとする古代の悪と戦うのですが、このシリーズの主役の主人公は、父神ゼウスの不興をかって冴えない人間の少年として地上に降り立ったアポロン。ニューヨークの路地裏で不良に絡まれているアポロンを助けた、12歳の少女メグ(母親は豊穣の神デメテル)の雇われ人となって始まった冒険が、ついに決着します。

 

不死の力を手に入れた邪悪なローマ皇帝のうち、カリギュラコモドゥスは既に倒しました。残るひとりは最強のネロなのですが、その背後にはアポロンの宿敵である大蛇ピュトンがいたのです。アポロンとメグたちは、ハーフ訓練所の仲間の力を借りて、ニューヨークを火の海に沈めようとするネロと対決。しかし神託所の中で最高位のデルポイを奪って棲みついたピュトンには、アポロンひとりで立ち向かわなくてはなりません。ゼウスによって奪われた神の力は復活するのでしょうか。前巻までに解放した4つの神託所(ドドナ、トロポニオス、エリュトライ、クマエ)はアポロンの力になってくれるのでしょうか。さらにアポロンに試練を与えたゼウスの真意はどこにあったのでしょう。

 

全てがハッピーエンドとならないのも、このシリーズの特徴です。既に「シーズン2」の主人公であったジェイソンが亡くなっていますが、本巻で再登場する「シーズン1」のニコやレイチェルを待ち受けている運命も気になりました。

 

著者は他にもエジプトや北欧の神話に基づく作品などを書いていますが、このシリーズが最強ですね。ギリシャ・ローマの神々のキャラが立ちまくっているのが最大の理由なのかもしれません。このシリーズの続編構想があるのかどうかわかりませんが、期待しています。

 

2022/8