りぼんの読書ノート

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アポロンと5つの神託 1.太陽の転落(リック・リオーダン)

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ギリシャ・ローマの神々と人間との間に生まれたハーフたちの活躍を描くパーシー・ジャクソン・シリーズの第3シリーズが始まりました。

現在はニューヨークに拠点を移しているオリンポスの神々にとってかわろうとするゼウスの父親クロノスや、万物の母ガイアの復活を防いだものの、問題はまだ残っていたのです。それは予言の源である「デルポイの神託所」が、ガイアの子である蛇の怪物ピュトンに奪われたままになっていたこと。それを自分の力で奪い返すようにと、アポロンはゼウスから人間に変えられて地上に落とされたようなのですが、16歳の少年になってしまったアポロンは、記憶も定かではありません。

ニューヨークの路地裏でいきなり不良少年たちにたたきのめされたアポロンは、偶然出会ったデメテルとのハーフ少女メグに助けられ、さらにはパーシーによってハーフ訓練所にたどり着いたものの、そこでは新たな異変が起こっていました。虹の女神イリスの力によるネットワークをはじめとする通信網が働かなくなっており、訓練所に集まるハーフの数が激減していたのです。

やがて新たな敵の存在が明らかになり、アポロンらが果たすべき役割も明らかになってくるのですが、ポイントになるのは「5つの神託」。ギリシャ最大の神託所は、アポロンが管理していたデルポイなのですが、他にも4カ所あったのですね。本巻ではまず「ドドナの林」が登場するのですが、この後、他のクマエ、エリュトライ、トロポニオスの解放に向かうのでしょう。冒険の旅に出るメンバーは、アポロンとリオとカリュプソですね。

ところで神の力を失って普通のヘタレ少年になってしまったアポロンですが、ダプネやヒュアキントスを思い続けていたことは意外でした。一方、このシリーズで俳句趣味があるとされていた点は継続されており、各章のタイトルは全部「五七五調」になっています。

2018/5