りぼんの読書ノート

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京都伏見のあやかし甘味帖 8(柏てん)

シリーズ8作目。恋人も仕事も失って京都で人生休養中だった小薄れんげでしたが、民泊先の家主で甘味好きの大学生・虎太郎と出会って、京都で暮らすことを決意。いわくありそうな不動産会社に就職を決めて、現在は町屋の民泊事業の企画に悩んでいるところ。

 

ある日虎太郎に誘われて京都ゑびす神社に行ってみると、神無月の留守神として京都に留まっている恵比須様に遭遇。盗まれた釣り竿を探してほしいと頼まれていまいます。どうやら犯人は、ともに宴会をした七福神仲間の誰かのようす。れんげになついている伏見稲荷の神使の子狐クロと、恵比寿様の神使の鯛を連れて、七福神の事情聴衆に赴きます。

 

萬福寺の布袋、革堂の寿老人、赤山禅院の福禄寿、妙円寺の大黒天、六波羅蜜寺の弁財天、東寺の毘沙門天を訪ね歩いたものの、誰も心当たりはないとのこと。それどころか、神具である釣り竿が盗まれるわけなどないというのです。これはいったいどういうことなのでしょうか。6柱の神たちがそれぞれ、れんげにプレゼントしてくれた謎のアイテムも意味不明。どうやら前巻で玉衣比売の千年の無念をときほぐしたれんげは、恵比寿に警戒されて試練を与えられてしまったようなのですが・・。

 

神々にまで存在を知られてしまったれんげの京都生活は平穏無事とはいかなそうですが、非力ながられんげを救おうとした虎太郎との関係は良好なようです。それにしても京都の七福神巡りは豪華ですね。幕間に紹介される京都の甘味も豪華絢爛です。

 

2023/9