りぼんの読書ノート

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京都伏見のあやかし甘味帖 3(柏てん)

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一瞬にして仕事も恋も失って、京都で人生休憩中の小薄れんげ、29歳。甘味マニアの草食大学生・虎太郎が営む古民家に民泊し、なぜか伏見稲荷の神徒という子狐クロに懐かれてしまいます。不思議な事件に遭遇して滞在延長中ですが、いつまでも中途半端な生活を続けるわけにもいきません。

今後の生活設計に悩み始めたれんげですが、またも新たなトラブルが発生。なぜか壺装束に市女笠という平安時代の旅姿をした美女に遭遇し、赤ちゃんの世話を頼まれてしまいます。もちろん未婚で子育て未体験のれんげは、パニックを起こしながらも見よう見まねで赤ちゃんを育てようとするのですが、みるみる成長した子供は、牛若だと名乗るのです。ではこれは源義経で、あの女性は常盤御前?以前に知り合った安倍晴明の霊も、狐神の黒烏も役に立たず、ヒントを求めて鞍馬に乗り込んだれんげは、なんと天狗に遭遇。果たしてこの怪異の背景には、どのような事情があったのでしょう。

武蔵坊弁慶の力を借りて、天狗たちの陰謀から逃れたれんげですが、このままでは済みそうもありません。ではこの物語は平泉へと向かうロードムービーになってしまうのでしょうか。虎太郎の京菓子紹介コーナーはどうなってしまうのでしょう。そんなことよりラストで黒烏が漏らす、れんげ自身の秘密も気になります。物語は転機を迎えたようです。

2019/5