りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ゴーストハント7 扉を開けて(小野不由美)

f:id:wakiabc:20211013073948j:plain

能登の事件を解決して東京への帰路についた一行は、道に迷って山に囲まれたダム湖に辿り着いてしまいます。しかしこの湖こそナルが探し求めていた場所だったのです。ナルはなぜ、突然のオフィス閉鎖を宣言したのでしょう。ようやくナルの正体や目的が明らかになるのですが、ゴーストハンターたちの前に最強の敵が現れます。

 

きっかけは何の変哲もない依頼でした。ダム湖の近くにある廃校になった小学校に幽霊が出るとの噂があるので調査して欲しいというのです。しかしそこで起きていた現象は幽霊などではなく、数年間に渡って続いている連続行方不明事件だったのです。邪悪な力によって廃校内に閉じ込められたゴーストハンターたちが、ひとりまたひとりと姿を消していき、最後には麻衣ひとりが残されてしまうのですが・・。秘められていたのは悲しい物語であり、不覚にもクライマックスでは涙がこぼれてしまいました。

 

ところで夢の中で麻衣に精神的なパワーと解き放つ指導をしていたのは、ナルではありませんでした。そしてそのことがナルの最終目的と深く関わっていたのですが、ここでネタバレを書くわけにはいきませんね。そのことこそ、、シリーズ全作品を貫いている秘密なのですから。そして麻衣の恋は意外な終わり方を迎えるのです。もう一冊の続編があるとのことですが、シリーズはここで終了。私としては、麻衣の正体こそが最大の秘密ではないかと思っていたので、ちょっとスカされた感じもあるのですが、そこは勝手に想像を膨らませておくことにしましょう。

 

2021/11