りぼんの読書ノート

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ゴーストハント1 旧校舎怪談(小野不由美)

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1989年から92年にかけて書かれた初期の代表作「悪霊シリーズ」が、2010年にリライトされて蘇ったのが、この「ゴーストハントシリーズ」。さらにその文庫化が現在進行中であり、なんと30年に渡って生き延びている作品なのです。

 

語り手はごく普通の女子高生である谷山麻衣。この事件で知り合った、心霊現象の調査事務所長・渋谷一也の助手を務めることになってしまい、次々に怪異と出会うことになるようです。この渋谷は転校生と間違えられるほど若いのに、自信家で調査機材を駆使するゴーストハンター。彼の真の能力は、第2巻で明らかになります。

 

そこに集まってくるのが、それぞれ個性豊かな霊能力者たち。ど派手な巫女の松崎綾子。高野山で修業した長髪坊主の滝川法生。関西弁を操る金髪美少年エクソシスト神父のジョン・ブラウン。日本人形のような美少女霊媒師の原真砂子。彼らがそろって学園の旧校舎に潜むという悪霊に挑むのですが、誰も結果を出すことができません。それには理由があったのですが、皆それぞれに本物であることは第2巻で明らかにされますので。これもお楽しみに。

 

「麻衣をワトソン役として名探偵が大集合」という雰囲気で、それぞれに異なるアプローチで謎に挑み、最後に渋谷が「ひとつだけ残っている恐怖」を解明するという過程は、怖いながらも楽しいもの。第1巻の事件のカギは、麻衣の同級生で霊能力があると自称する黒田女子が握っていることだけ、記しておきましょう。各巻は独立した物語ですが、全7巻で全ての謎が解けるようになっているとのことです。意外な展開を期待して読み進めることにします。

 

2020/12