りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ゴーストハント2 人形の檻(小野不由美)

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心霊現象の調査事務所長・渋谷一也と、なぜか彼の助手を務めることになってしまった普通の女子高生・谷山麻衣に舞い込んできた依頼は、古く瀟洒な洋館で頻発するポルターガイスト現象でした。なぜかまたもや合流することになった霊能者一団(巫女・坊主・神父・霊媒師)と調査を開始したものの、彼らを嘲笑うかのようにポルターガイスト現象は激化していきます。

 

8歳になる一人娘の礼美が持つアンティークドールが怪しそうであり、実際に怪しいのですが、これはまだ問題の糸口に過ぎませんでした。巫女・綾子の祝詞、坊主・法生の祈祷、神父・ジョンの悪魔祓い、霊媒師・真砂子の除霊の効果も一時的であり、払っても払っても霊が湧いてくるようなのです。悪戦苦闘する霊能者一団を残して、屋敷と土地の来歴を調査に出かけた渋谷が掴んだ事実は、さらに根深いものだったのでした。果たして彼らは、けた外れの力を持つ悪霊を除霊できるのでしょうか。

 

ここにきて渋谷の正体も明らかになります。彼は単なる科学的調査者ではなかったのですね。ど素人の麻衣も、人間関係を見抜いたり、彼女が嵌まった罠が事件解明の糸口に繋がっていったりと大活躍。「優れたホラー小説は、読んでいる間だけは霊がいるかもしれないと思わせてくれる」そうですが、まさしく本書もその類です。渋谷はまだまだ謎を抱え持っていそうですが、全7巻まで読むと明らかになっていくのでしょう。

 

2020/12