りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

Lady, Go(桂望実)

イメージ 1

かわいくないし、ネクラだし、上手に嘘もつけない。「ちょっぴり自分嫌い」で、いつも「すみません」と謝ってる。彼氏に振られ、派遣先もクビになった玲奈が、キャバクラ嬢に!

キャバクラ嬢のお仕事って、大変なんですね。とにかくお客様に、また足を運んでもらわなくてはならない。基本は、きっちり会話をして楽しんでもらうこと。話し好きの客には「聞き上手」に、無口な客には「話し上手」に。客との会話はメモをとって覚え、送るメイルにも工夫を凝らす。もちろん、可愛く見えるよう、スタイルやメイクや笑顔の練習も。

現実のキャバクラの世界には、もっと闇の部分があるのでしょう。でもこの本が描きたいのは、普通の平凡な女性の成長ストーリー。ほどよく美化されたキャバクラの世界は、ちょっぴり異次元で、そんな舞台にふさわしい。

派手さはないけど、誠実で思いやりがあることも、立派な個性。仕事をこなせるようになっても、トップを目指すなんて考えないし、いつまでもこの世界にいられるとも思わない、現実的な玲奈。ちょっとだけ自信をつけて、新しい生活にチャレンジする玲奈は、まるで『ブレイブ・ストーリー』のワタルのようです。

こういう女の子を見ると応援したくなってしまいます。「世界を広げていく」という部分に、自分と重なる部分を感じるからでしょうか。いや、キャバクラ嬢ということじゃありませんが。^^

2006/8