『極大射程』の著者によるスワガー父子シリーズの第7作。本書の主人公は、父親のアール・スワガー。息子のボブ・リーは、まだ幼い少年です。
1953年のハバナ。キューバは新米的なバティスタ大統領の独裁下にあり、アメリカの大企業やマフィアが法外な利益を貪っていた時代。強烈なカリスマ性と弁舌の才能を持ち共産主義革命を唱える青年が、大衆の支持を集め始めました。
その青年の名はフィデル・カストロ。CIAはカストロを未然に抹殺すべく、アールをハバナに送り込み、一方のソ連は、カストロを支援すべく凄腕のスパイを潜入させます。革命前夜のキューバで、まだ若く無謀なカストロを中心にして、CIA、ソ連、キューバ軍、マフィア、地元ギャングらの思惑や陰謀が渦巻く中、アールは使命を達成できるのか・・。
このシリーズの愛読者ならおわかりでしょうが、アールは決して、政府の命令に唯々諾々と従うロボットではなく、不正や弱いものイジメを徹底的に憎む不器用な「戦士」です。彼が理解しあった相手は意外な者であり、彼が闘うことになった相手もまた、当初は想定もしなかった意外な者となったのですが、そのあたりは、読んでからのお楽しみですね。^^
出張中は、こういうスカッとした本が向いてるな。
2006/12(大同のホテルにて)