この本こそが、ピデコお勧めの「なんちゃって江戸もの」でした。『退屈姫君伝』がおもしろかったので、こっちも読んでしまいました。
「退屈姫君」が活躍したのは9代・10代将軍に仕えた田沼意次の時代で、こっちは8代の徳川吉宗だから、ちょっと前になりますね。あの讃岐風見藩が、豊後の小藩の蜜姫をめとって合併を画策。なぜか刺客に襲われた蜜姫は、吉宗と対決するために江戸へ向かいます。
そこに、吉宗のご落胤を名乗る天一坊一味や、紀州から将軍が出たことを恨みに思う尾張徳川家がからみ、敵味方が入り混じる中、剣豪の蜜姫は大暴れ。
新聞連載小説だったせいか、「お気楽度」はちょっと低いかな。蜜姫の母・甲府御前の「のほほん」ぶりが救ってくれるけど、忍び猫タマは結構シリアスキャラ・・でもないか。語り口の軽妙さは一緒ですが、どうせならもっと思いっきり「お気楽時代劇」に徹するほうが、私的には好みかな。
(おまけ)
「退屈姫君」はシリーズ化されていて、続編が出ているとのこと。予約を入れました。クセになってしまったかも。
2005/10