りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

タイムトラベラーズ・ワイフ(オードリー・ニッフェネガー)

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愛した人がタイムトラベラーだったら、どうするだろう。それも、自分の意志でタイムトラベルするのではなく、何かのはずみで、過去や未来に飛んでしまう病気だったら。

クレアは、6歳のときに未来から来たヘンリーと出会い、18歳までに152回も出会って、彼を愛するようになります。でも20歳になって現実生活の中で出会ったときには、ヘンリーはクレアのことを知りませんでした。クレアの過去に来ていたのは、その後のヘンリーだったんですね。(6歳の子と30過ぎのおじさんの恋の不自然さは、無視しましょう)

ここに来て、2人の関係は逆転します。未来のことを「何でも知っていた」ヘンリーより、断片的に知っていたクレアのほうが詳しくなってしまうのですから。2人は、当然のごとく結ばれます。クレアは確信して。ヘンリーはとまどいながら。

上巻では「未来を知ることの明るい面」が描かれるのですが、下巻では一転して「ダークサイド」の話になってしまいます。「未来を知ることの残酷さ」が2人につきつけられてくるのです。

ラストの数章を残して眠りについた夜、この2人がどうなってしまうのか、夢に見てしまいました。過去・現在・未来を通して1人の人を愛することがどれだけ重く、でも素晴らしいことなのかを思って、連れ合いの寝顔を夜中にまじまじと見てしまったのでした。^^

2005/10