このシリーズは、どろどろの怨念が「女を鬼に変える」ような話が多い中で、この巻はサラッとした内容で、マンネリの良さを感じさせてくれます。
安部清明の親友・源博雅のキャラがいいですね。「木の箸を使うのは、木に『箸』という呪をかけているのだ」などと、清明に難しく説明されると訳わからなくなるけど、自分の感覚で、生命の不思議や自然の神秘を理解できている。
それと同じレベルで、清明への友情を感じている。だから、清明から「行こう」と言われると、「行こう」と即答し、すんなりとあやかしの世界に入っていけるのです。
読み終わってみると、何を読んだのか記憶に残らないようなサラッとした話ばかりだったのですが、2人のかけあいの心地よさが残る本なのでした。^^
2005/10