りぼんの読書ノート

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ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹(ジェフリー・ユージェニデス)

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タイトルも作者名も長い!

「13歳から17歳の年子の美人姉妹が、次々に自殺していく。ぼくたちは、それを横で見ていてどうすることもできなかった・・」。20年前に起きた衝撃的な出来事の思い出をたどり、「彼女たちを復活させるピースは決してみつからないだろう」と結ばれる、不思議な感覚の作品です。

5人姉妹はそれぞれ、異なった特徴の持ち主として描かれます。テレーズは知性。メアリーは美貌。ボニーは信仰。ラックスはセックス。セシリアは神秘。

彼女たち5人姉妹は実在の人物というより、誰もが思春期に心惹かれるものの象徴なのかもしれませんね。ラックスに関する記述が圧倒的に多いし(笑)。そして、なすすべも無くそれらを失っていく無力感こそが、ここに描かれているテーマなのかもしれません。

ところでヘビトンボとはカゲロウの一種で、3年間水中で暮らし、成虫になってからは食事もとらずに、交尾と産卵だけを行って2週間で死んでいく昆虫だそうです。それも何かを象徴しているのだろうか? う~ん、難しい。

2005/8