りぼんの読書ノート

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マルドゥック・アノニマス 3(冲方丁)

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軍事技術を用いて改造された異形のエンハンサーたちが跋扈する未来都市マルドゥック・シティの支配を企む「クインテット」と、裏社会の悪事を告発する「イースターズ・オフィス」の戦いは、いよいよ佳境に入って行きます。

クインテット」のリーダーのハンターが共感覚を武器として新興勢力を取り込んでいく中、孤独な潜入捜査を進めるウフコックは「善の勢力」を結集するために奔走。ついに両者の対決にまで持ち込むものの、ハンターの勢いを止めることができません。「イースターズ」のメンバーにも犠牲者が出てしまいます。そしてウフコックもハンターの共感覚に捉えられそうになるのですが・・。

その場面でのバロットの登場は、前巻から予告されていました。マルドゥック・スクランブルの主人公であった少女バロットはウフコックにとって唯一無二の善なる存在であり、新たな道を進んでいる中で戦闘に巻き込まないようにしていたのですが、ウフコックの窮状を知ったら救出に来ないわけはありませんよね。

しかもバロットの有する電子干渉能力は、ワイヤー・ワームを用いた回路によって発揮される「クインテット」の異能力者たちに対して、天敵のようなものなのです。名コンビの復活による逆襲が予想される次巻は、痛快な展開になりそうです。

2018/6