りぼんの読書ノート

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永遠の始まり 3(ケン・フォレット)

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20世紀をテーマにした「100年3部作」の第3部・第3巻では、ケネディ暗殺後の冷戦時代が描かれます。

ケネディ亡き後のアメリカは、後を継いだジョンソン大統領のもとで公民権法が制定されたものの、ベトナム戦争にのめり込んでいく中で国内対立も激化。キング牧師が暗殺され、次いで大統領候補指名を争っていたボビー・ケネディも暗殺されるに至り、彼の黒人スタッフであったジョージは、政治の世界を離れる決意をするのでした。

ソ連ではフルシチョフが失脚。彼のスタッフを務めていたディムカは、保守的なブレジネフを嫌いながらも、改革派のコスイギンに拾われます。しかし「プラハの春」への軍事介入を食いとどめることはできませんでした。一方、タス通信記者となった妹のターニャは、政治犯とされた友人がシベリア流刑の実態を描いた小説を、命がけで西側に持ち出とうとしています。

ロンドンでは、東ドイツを脱出してきたワリとバンドを組んだデイヴが、音楽の才能を開花させます。2人の共作曲は大ヒットするものの、女性をめぐるトラブルでバンドは解散。ワルターは麻薬に蝕まれていくようです。またデイヴの姉エディは女優として成功したものの、反戦活動に共感を示したために当局から目を付けられてしまいました。

東ドイツに残ったワリの母親カーラや妹リリは、ワリの息子を生んだカロリンと同居して支援し続けていますが、やはり西側に脱出したレベッカの件もあって、秘密警察シュタージから嫌がらせを受け続けている状態に変わりはありません。

祖父母の代から続く登場人物たちの相関関係は複雑です。どこかに纏めておこうとも思いましたが、第1部からのレビューを読み返したほうが早そうです。

2016/7