大阪に移ってから読書量が激減してしまいました。通勤時間が短くなったのと、勤務先変更や引越しに伴う手続きに追われたせいだと思うのですが、新しい生活に慣れたら読書量は復活するのでしょうか? そんな中で、塩野七生さんとル・カレさんの初期の作品を再読。いまだに輝きを失わない傑作ですので、再読ながらベストに入れました。本当の理由は、他にベスト扱いできるような本がなかったからなんですけどね。^^;1.海の都の物語(塩野七生)
ユニークな視点でコンパクトにヴェネチアの千年紀を描いた、塩野さんの最高傑作。他に例を見ない海上都市はどのように造られ、「地中海の女王」と呼ばれるほどの地位を得ながら、どのように没落していったのか。共に「リアリスト」という点でヴェネチアと深く共鳴しあう塩野さんの筆が冴え渡ります。
2.リトル・ドラマー・ガール(ジョン・ル・カレ)
イスラエル情報部にスカウトされたイギリス人女優が、パレスチナのテロ組織に潜入して爆弾テロ犯人であるターゲットに近づくというストーリーは単純ですが、それをリアルに読ませるデティルの緻密さが素晴らしい作品です。素人ながら潜入スパイというもっとも過酷な任務を負った女優チャーリーの心が引き裂かれていく様子に深く共感させられてしまいます。
イスラエル情報部にスカウトされたイギリス人女優が、パレスチナのテロ組織に潜入して爆弾テロ犯人であるターゲットに近づくというストーリーは単純ですが、それをリアルに読ませるデティルの緻密さが素晴らしい作品です。素人ながら潜入スパイというもっとも過酷な任務を負った女優チャーリーの心が引き裂かれていく様子に深く共感させられてしまいます。
3.紅茶スパイ(サラ・ローズ)
19世紀半ばの当時、外国人の出入りが禁止されていた中国内陸部に入り込んで中国の国家機密であった世界一価値のある植物「茶」の苗木や種や加工方法を盗み出した男、ロバート・フォーチュンの物語です。茶の苗木と種を受け取って栽培を試みるインド側の植物園の話や、当時の茶を巡る種々雑多なエピソードも楽しい作品でした。
19世紀半ばの当時、外国人の出入りが禁止されていた中国内陸部に入り込んで中国の国家機密であった世界一価値のある植物「茶」の苗木や種や加工方法を盗み出した男、ロバート・フォーチュンの物語です。茶の苗木と種を受け取って栽培を試みるインド側の植物園の話や、当時の茶を巡る種々雑多なエピソードも楽しい作品でした。
【その他今月読んだ本】
・ニッポンの小説 百年の孤独(高橋源一郎)
・ハゲタカ2(真山仁)
・ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ(ジョン・ル・カレ)
・スクールボーイ閣下(ジョン・ル・カレ)
・スマイリーと仲間たち(ジョン・ル・カレ)
・ぼくたちのアリウープ(五十嵐貴久)
・とにかくうちに帰ります(津村記久子)
・アレクシア女史、女王陛下の暗殺を憂う(ゲイル・キャリガー)
・ミシェル 城館の人(堀田善衞)
・千年紀の民(J.G.バラード)
・幕末銃姫伝(藤本ひとみ)
・ベルファストの12人の亡霊(スチュアート・ネヴィル)
・汚辱の世界史(J・L・ボルヘス)
・ニッポンの小説 百年の孤独(高橋源一郎)
・ハゲタカ2(真山仁)
・ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ(ジョン・ル・カレ)
・スクールボーイ閣下(ジョン・ル・カレ)
・スマイリーと仲間たち(ジョン・ル・カレ)
・ぼくたちのアリウープ(五十嵐貴久)
・とにかくうちに帰ります(津村記久子)
・アレクシア女史、女王陛下の暗殺を憂う(ゲイル・キャリガー)
・ミシェル 城館の人(堀田善衞)
・千年紀の民(J.G.バラード)
・幕末銃姫伝(藤本ひとみ)
・ベルファストの12人の亡霊(スチュアート・ネヴィル)
・汚辱の世界史(J・L・ボルヘス)
2012/7/31