りぼんの読書ノート

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ねこのばば(畠中恵)

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妖怪に守られている超虚弱な若旦那が江戸を騒がす怪奇な事件を次々に解決していく『しゃばけ』シリーズの第3巻です。シリーズ5巻まで出ていて、さすがに第1巻は最初に押えたものの、これ、グチャグチャの順番で読んじゃったんだ。^^;

シリーズになっているものは順番に読まなくてはいけませんね。1話ずつ楽しめるのですが、脇キャラのサイドストーリーや新キャラの登場などで、しだいに奥行き深くなるのですから。

この巻でも「産土(うぶすな)」と題する短編で、若旦那を守る兄やの片割れ、手代の佐助こと「犬神」の生い立ちが紹介されます。1000年前、弘法大師によって生み落とされたという犬神は、妖力を持った人形傀儡に魅入られた若旦那を守れるのでしょうか? この話、ちょっとした仕掛けがあるのですが、途中で気付けるかな?

ほかにも、幼なじみの栄太郎の妹、お春ちゃんの縁談の話や、法力で寺に閉じ込められた「ねこのばば」を救出する話など、ほんわかした雰囲気ながら、本当に邪悪なのは妖怪などではなく人の心に生まれる荒んだ気持ち・・との主張もしっかり入ってる。

いつもながら、姿形こそ小鬼だけど若旦那によく懐いて「きゃわきゃわ」と騒がしい「鳴家」たちが、とっても可愛いですね。

2007/1