りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

RUN! RUN! RUN!(桂望実)

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今、若手女流小説家の間で、陸上がブームなのでしょうか。三浦しをんさんの『風が強く吹いている』や、佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』に続いて、桂望実さんまで陸上を題材にした本とはね。題材は陸上でも、ティストは『県庁の星』のまま。一匹狼を貫く、超エリートランナーが経験する挫折。

でも、その挫折の理由がふるってます。自分が、両親の遺伝子操作によって「作成」されたロボットではないかと、悩むのですから・・。ドーピング検査を恐れ、箱根駅伝のエース区間を辞退し、監督から補欠選手のサポート役を命じられるなかで、彼の中の何かが変わっていきます。

箱根駅伝は通過点であり、チーム順位なんて関係ない。目標はオリンピックでの金メダルであり、周囲の批判なんて全然気にもならない、という傲慢男が、どう変わるのか。桂さんの本を何冊か読んだけど、『Lady, Go!』を越える作品はなかなか出ませんね。

ともあれ、今年も箱根駅伝を見てしまいそうです。^^;

2007/1