りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ぬしさまへ(畠田恵)

イメージ 1

しゃばけ」でデビューした畠中恵の、若旦那シリーズ第2作。前作で、日本橋の大店の若旦那・一太郎の出生の秘密や、めちゃくちゃ病弱で妖怪たちに守られていることなどは明らかになっていることを受けての短編集です。

しじゅう寝たきりで行動範囲も限られている一太郎ですが、妖怪たちに情報収集をさせて難事件を解決する名推理は、相変わらず冴え渡ります。

でも本書の特徴は、一太郎がちょっぴり成長してることかな。腹違いの兄を気遣い、自分や両親の将来を不安に思い、病弱であるがゆえに甘やかされている自分のことをはがゆく思い、それでも周りの人を気遣う優しさがいいですね。^^

今回は、脇キャラもしっかり描かれます。目元涼しい色男、実は力の強い妖怪・白択である手代の仁吉が1000年思い続けている片思いの相手はいったい誰なのでしょう。興味ひかれるサイドストーリーです。

2006/12