りぼんの読書ノート

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悪魔の孤独と水銀糖の少女(紅玉いづき)

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自ら滅びを選んだ死霊術師たちの忘れ形見である少女シュガーリアが向かうのは、無数の罪をその身に刻み悪魔を背負う青年ヨクサルが住むという黒い海。

 

愛しか知らない少女と、愛とは無縁な孤独な青年が、「かつての黄金の島であり、今は悪魔の島であり、未来永劫、孤独の島である場所」で出会ったときに何が起こるのでしょう。2人は、悪魔も死霊術師もともに滅ぼそうとする「正義の存在」に対して、立ち向かうことができるのでしょうか。

 

やがてシュガーリアが命を落とし、彼女の誕生の秘密が明らかにされたときに奇跡が起こります。本書の物語世界は、『ミミズクと夜の王』や『毒吐姫と星の石』と地続きなのかもしれませんね。幻想的な雰囲気が先行して読みにくい作品でしたが、それも作者の狙いなのでしょう。

 

2019/7