りぼんの読書ノート

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サイボーグ009完結編1(石の森章太郎、小野寺丈)

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数年前、TV東京でアニメ化されたのを、全部見ちゃってました。最終章「天使編」が未完で終わったのは、とっても残念だったのです。だから作者の石の森さんが、死の床で書き溜めた構想を基にして、息子の小野寺さんが小説に纏めたと聞いた時、嬉しく想いました。

実は「009ストーリー」は、超能力者である001イワンが、未来に起きた出来事を過去の石の森さんに想念を伝えた結果、出来上がったものであった・・とのつなぎの部分も(もちろん不自然ではあるけど)、丁寧に描かれています。

2011年になってストーリーは急展開を迎えます。これは石の森さんにとって「未来を変える聖戦」になりました。今までのストーリーが、既に未来で起きてしまったことなのに対し、今回の完結編はまだ起きていないことを描かなければなりません。

本書は単なる創作にとどまらず、「神」という途方もない相手に対峙してなすすべないサイボーグたちに勝利への着想を送る・・という主動的な意味合いを持ってくるのです。(『ターミネーター』と似ていることは、横においておきましょう。)

全3巻の第1巻なので、まだ導入部。001イワン、002ジェット、003フランソワ、004ハインリヒがそれぞれに、「邪悪な神」もしくは「天使」と出会うところまでのお話。まだ「神」と「天使」の違いもよくわかっていないし、彼らが、敵なのか味方なおかも判然としていません。とりあえず、懐かしさで読んでいる人が多いんじゃないかと思うけど、ちゃんと結末は、決めてくれるんでしょうね。

2007/1