りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

『恐怖の報酬』日記(恩田陸)

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恩田さん、本気で飛行機嫌いなんですね。飛行機に乗ることの恐怖感が、いつ、何をきっかけに爆発してしまいそうか、との気持ちを、トラックでニトログリセリンを運ぶ映画に例えるのですから。私も決して飛行機は好きじゃないけど、ここまでひどくはありません。せいぜい、毎回、離着陸の時に、遺書を書きたくなるくらいです(笑)。

本書は、彼女の「初海外」となった、イギリス・アイルランドの紀行エッセイ。さすがに、訪問先の風景や遺跡を見た途端、いきなり小説の着想が湧いてくるなんて奇跡は起きなかったようですが、きっと、心の奥底に刻まれた風景が、どこかで浮かび上がってくることがあるのでしょう。特にアイルランドは、「理瀬シリーズ続編」の取材旅行でもあったようなので、これがどう生かされるのかは、作品を読んでのお楽しみですね。

アイルランドは未踏の地ですが、「ストーンヘンジ」には行きました。恩田さんが言っているように、緩やかな丘陵地帯の中、一面緑色の平原の中に、ポツンと、それだけ立っているのです。道をはさんで一軒だけあるショップも、景観を害さないよう、一段掘り下げた地下に作るあたり、さすがイギリスです。夜中に通りがかったら、本気で怖いかもしれません。

旅行とは直接関係ないようですが、「歴史的人物を探偵にするアイデア」には感心しきりです。故ダイアナ妃の語るマザー・テレサの名探偵ぶりなんて、本当に読んでみたいもの。

同行した雑誌社のK譲が、どんな「いやげもの(貰った人が嫌がる土産物)」を編集部に買ったのか、記述がありませんでしたが、とっても気になります。ミック・ジャガーの唇を模した灰皿なんかは、相当腰砕けものと思いますが、ローリングストーンズのファンなら、嬉しいのかも。^^

2007/4